「その時」がきた。
逆転につぐ逆転、混沌に混沌を重ね言語に絶する膨大のなエネルギーが天から降り注いだ。
見慣れていたはずのぐるぐる回るその回転に、私も取り込まれ、よもや誰が正気を保っていたろうか。
厳しい高山の、気象は激しく変わり、森林限界を超えた先の、鋭く切り立った稜線を、際どくも歩いた。
そして、頂上にたどり着いた!
その頂点では、驚くべきことに存在の全てが私を包んだ。
気が触れたのではない。
虚言でも妄言でもない。
私は彼とよくsailingした湖、よく晴れた空の光に照らされた湖を見ながら、解放された彼と対話した。
私の存在における、私の人生史のアンバランスがたちどころに顕在化した。
私はこれまでのアンバランスに和解を試みた。
彼は早くも私に力を与える存在となった。
ありありと見える、聞こえる。

まだ言語にできない。
しばし温める。


帰宅し手を洗っていると娘が話しかけてきた
「今日は大変だったでしょ~」
「え・・・なんで分かるの?そう、お父さんは今日大変だったんよ」
正しく虚を突かれた私は、1秒泣いた。
「分かるに決まってるでしょう~』
「そうなのね・・・お父さん、今日頑張ったんよ」
「そんなこと分かってるよ!頑張ったってこと!」
茶目っ気たっぷりにまたどうして・・・
「お父さん、泣いてるの」

妻は娘に何も伝えていなかった。
このように問われるのは初めてだった。
遅く帰ったわけではない。
分かるのだろうか、この子には。