覚書3

 今日は何もしていないと思う 思うか思うたけてあろう というのは もう今にも何もおほえていないようなのたから

 メールの文字を見るとこう書かれている。想像するに、私の持っている携帯電話は下の文字を打つパネルが外れており、濁音や半濁音や句読点が容易には打てないようになっている、それで打つのが面倒になったのだろう。それを打っている彼は、おそらく私は、携帯電話をメモ帳代わりにでも使っているようだった。

仮にやまたさんとてもよふへき人は言った たてますか はい すこいてすね はい 歩けますか はい すこいてすね

私はしまんけに歩いた かのしょにとひついてひっくりさせようとおもったか おもいのほかちからかはいらす ふらついて 数歩ていきかあかった 横のまとのそとのは あおそら 木のえた こともの頃 古い図書館てトイレの前のまとのそとからえたかのひ リスか えたを伝って 図書館のまとへへ入りこんてきていたことかあった それをおもいたした わたしはしょうへんをしなから まとのそとの あおそらを なかめていた ししゅうしつてかっこうのしゅくたいをしていたたろうか エアコンかきかす 常に蒸し暑く したしきてからたをあおいたり Tシャツの襟をはたはたさせたり机の足に足を押し当てたりしていた

たれもかれも私からはなれていくのか はしめから私ひとりたったのかもすてにわからない 部屋にひとり 気ついたら夜て 気ついたら朝て 気ついたら昼て 気ついたらたれもおらす まとの外をみると晴れているようたから 外にててみる てんしゃに乗る 駅の名前かわからないから たたたた乗って 乗った駅まて帰り降りようかと思い それも忘れたらしく 知らない駅て降りる 知らないと言っても知っていたかもしれないし おもいたすかもしれないか とにかく今はしらない駅て 降りる 

きっふはとうしたのかと問われる カートはあるのかと問われる わからないと言うと 30分もわからないと言っていたのかしらないか お金を払わせることを諦めたのか横から通してくれる

人か 駅前のすくらんふるこうさてんやほとうきょうやかいたんやひろはに あふれている

肩をむきたしにした筋肉質の男か白い女の肩に手を回して歩いていたり せいふくすかたの中高生か ともたちとうしか わらいなから歩いていたり 少しよたよたしなからろうしんか 杖をついて しめんに向き合いなから 歩いていたり ひろはて スケートホートというのか 薄い板をけとはしてあそんているひとたちかいたり 喫茶店てお茶をのんている あるいは 何かへんきょうてもしていたりパソコンをにらみつけたりしている人たちかいたり 私は河原にてて よこならひのさきをみて 川のなかれをみて 人の横切るのをみて 何か忘れたことも忘れていた 携帯に忘れていることいかいはメモと写真をのこした

(2022/05/29)