とーろく

今回はおもしろい言葉ではなく、おもしろくない言葉

「とーろく、と-ろく、と-ろく♪」
5歳、2歳の子供たちが嬉しそうにと歌っていた
耳から離れぬリフレイン

その意味は「チャンネル登録」とのこと
YouTubeを見てみると、HikakinというYoutuberがなんとも言えぬ顔で視聴者にチャンネル登録を促していた
子供たちにキャッチーな歌を用意してまで登録数を稼いでいるのか・・・・
なるほど、彼の番組は一見して子供向けと思われる企画が多そうだ
彼のチャンネル登録者の相当な割合で未就学児が含まれているのではなかろうか
スマホ子育てに一役買っているに違いない
それで彼は巨万の富を得ている

スマホ子育てを反省するキーワードを2つ挙げておく

一つは関心経済 1)
コンテンツの情報の正確性や質を高めることではなく、閲覧数を稼ぐためあの手この手で利用者の感情を刺激してクリックさせる。
このような、関心の獲得が経済的価値をもつ状況を、関心経済(アテンション・エコノミー)などというようだ

もう一つは、自動再生機能 2)
この機能のため、YouTubeをみていると、自分で選択したのではない情報に満足する状態に慣れてしまい、ネット中毒のリスクがあるという

あな悲し
2歳の息子の数少ない豊かなボキャブラリーに、Youtuberの営利のための語彙が侵入するとは

それにしても、Youtuberの度し難い貪欲さ
なんとも憐れな

では、見なければよいだけだろうに、
と彼は臆面もなく言うだろう
関心が生じているのはそちらであって、私ではない、と
正しい
したがって、私は見ない
万が一ご覧になる場合、彼が登録を促すあのえもいえぬ表情には催吐性があるためご注意を

子供というフィールで何が起きているのかを把握するのは難しい
フロイトやピアジェの観察もそのフィールドワークと言える
親業でもそのフィールドを垣間見る可能性があるにはある。

YouTube利用に対して注意喚起する臨床心理士の言葉を紹介しておく3)
ちなみに、読者のプレイセラピストの方々は現代の子どものカルチャーには敏感だろうか。いまや幼稚園児がYouTubeやニコニコ動画を垂れ流しのように見ている時代である。保護者もYouTubeやニコニコ動画を見せることに抵抗がない場合が多い。ご存知だろうか。小学生の多くが日曜朝の30分の子ども番組を見続けることができないことを。3分~5分程度の動画を次々にザッピングしていく習慣を身に着けた子どもにとって30分は長すぎて集中力が続かないのであろう。ご存知だろうか。一部のユーチューバ-たちは、小学生は知らなくても良いような、悪質な情報や知識を伝え、それが元になってトラブルが起こっていることを。そんなユーチューバ-にものすごく入れ込み、夢中になっていることを。ご存知だろうか。小学低学年の子どもたちが普通に大人向けのアダルト動画や、死体を写したグロ動画や、悲惨なエレベーター事故動画を何度も繰り返し見ていることを・・・

参考文献
1)山本龍彦「ネット時代の報道倫理、確立急げ」、朝日新聞 2021年5月18日、朝刊 
無料電子版 https://www.asahi.com/articles/DA3S14907336.html  
2)ドミニク・チェン「わかりあえなさと共に」、朝日新聞 2021年5月14日、朝刊 
3)丹明彦. プレイセラピー入門. 初版. 東京都:遠見書房;2019. 20

素寒